遠赤外線 + 熱風循環乾燥装置

概要

弊社標準 IRドライヤー(遠赤外線+熱風循環式乾燥炉)に関して

開発当初から三十数年経過しますが、未だに各企業様にご指示頂いております。 
数年ごとにアップデートを施し、使い易くシンプル且つ
より精密な温度制度を目指し進化し続けています。

遠赤外線ヒーターと熱風循環併用式の乾燥装置です。

遠赤外線ヒーターで対象となる被加熱物を加熱し
別に装備されているヒーターと送風機で炉内の熱風を循環させます。
炉内は常に設定された温度を保持するよう制御します。
(シーケンサ + 温度調節器等)

現在のIRドライヤーは5代目になります。
温度精度(±3~5℃ ← 仕様環境により上下する可能性在り)
製作納期の短縮、作業工数の減少、メンテナンス性の向上等
常に念頭に置きながら製作しています。

装置全体の製作納期は現状で3ヶ月半を頂いておりますが
お客様の設備時期はタイミングに合わせ臨機応変に対応致します。
( ↑ 納期に関しては御相談下さい)

炉体構造に関して

製作を円滑に進める為、弊社では基本的に誰でも組立が可能なように
抜き + 折りで成形された板金部品とリベットによる組立式を採用しています。 

特別な技術やトレーニングも必要無く指示通りに組み立てるだけで
誰にでも全く同じ物が製作出来ます。(性能差、個体差に関しても皆無です)
炉体製作は溶接に頼っていた時期もありますが
技術、コスト、作業時間も大幅にかかっていました。
現在ではコスト、製作速度と共に5分の一程度です。
(10日掛かるものが2日で製作可能なイメージです)

断熱材は50mm(100℃~250℃)を標準として
それを超える高温での使用環境が想定される場合には
弊社のノウハウにより、更に厚い断熱処理を施します。

標準サイズの炉体です。 SUS430 T1.0 + SUS304 T1.0  の板金構造で
内側に断熱材(ガラスウール 厚み 50mm )の物が入っています。
パーツ数は約40個程度です。( 1000mm~50mm 程度の板金部品等)

製作工程

2017/02/17日 現在 
既に製作後、立会及び試運転終了後に出荷の為の解体を行っている装置です。

耐熱ベルトによる搬送で、各ゾーンの温度設定と
CV速度、吸排気の調整でワークに必要な温度条件を作成します。

下記の画像の装置構成 本装置 乾燥装置3ゾーンの場合

投入ユニット + 炉体 + 炉体 + 炉体 + 排出ユニット(冷却部込)

ごくシンプルな搬送機構なので、ベルト上にワークを置くだけで乾燥が可能です。
先の「遠赤 + 熱風循環併用による製品の乾燥データ集」にて御紹介した
乾燥データは最も汎用性が高いこの装置で測定されたものです。

コントロールボックス、操作等に関して

本装置は装置上部にある総座ボックスのタッチパネルで各種操作、設定を行います。

タッチパネル上で各ゾーンの温度設定(遠赤ヒーター + 炉内雰囲気)と
搬送コンベア速度の設定が可能です。
通常はワークに対し作られた条件(プログラム)を作成 ⇒ レシピ登録します。

標準仕様の物でも最大で100種のレシピまで可能ですが
一般的には、5種類~30種類 程度です。
ワーク(被加熱物)の種類が多い場合にもこの機能でフォロー可能です。

画像は4ゾーンタイプ

PV 温度 実測値
SV 温度 設定値
CH ヒーターの制御チャンネル数
AIR 炉内雰囲気 ⇒ 熱風(ブロワ + 炉内雰囲気維持用のヒーター) 

基本的にはヒーター二本に対し1チャンネルで同時制御
チャンネル数が多ければ多い程密度の濃い温度制御が可能です。

解体中

現在解体中のこの装置(投入 + 3ゾーン + 排出)は
ほぼ一日で解体可能で、設置時にも設置に丸一日
試運転 + 条件の再現作業で一日の計2日で設置が可能です。
(ユーテリティ工事は考慮しない前提です)

解体中の装置 正面投入部の画像です。

搬送ベルトを外し、外装カバー
メンテナンスパネル等を全て取り外した状態です。
380ボルト仕様の海外向けなので
正面下部にトランスが装備されています。