急加熱+ホールド+急冷却 3工程を小型炉で実施する装置例 カテゴリを追加

概要

加熱方式と炉内構造

この装置の目的

ワークを数十秒以内に70℃まで急加熱
     ↓
90秒ホールド(安定)
     ↓
排出時に35℃まで冷却(全工程で600秒)

尚、ワークは金属板に挟まれており
熱を浸透させるには300~400℃程度の熱が必要になります。

加熱ユニット内部の構造を図で表したものです。

メインの熱源は上下のヒーターで
炉内の温度を安定させる為に熱風発生器で炉内全体の熱を補います。

ワークの温度上昇後は同じ炉内でホールド工程に移行します。
ホールド工程(加熱ストップ、ワンパスの強制排気による緩やかな冷却の開始、溶剤分の強制排出含む)
この図の後に本冷却工程があります(冷却ブロワーによる強制冷却)

装置外観1

本装置のフレームは全てアルミフレームで構成し
その上に炉体を載せてあります。 

搬送機構 + 炉体の構成なので前後にロボットアームを装備し
炉内へのワーク搬入 ⇒ 加熱 ⇒ ホールド ⇒ 冷却 ⇒ 排出を自動で行います。  

ワークの説明や搬送方式の説明は省きます。

およそ ヨコ4000mm × タテ1500mm × ハバ1200㎜ のスペースの中に
前後の搬送と3項目の加熱+冷却工程を持たせた炉を載せてあります。

装置外観2

投入搬送部が見えていますが詳しい明言は避けさせて頂きます。
アルミフレーム以外の外装に関してはSUS430t1.0~1.5をメインに使用しております。

構造部政策部品などはアルミとSUSを中心に構成居しています。

今回のオーダーはスペースがない中での搬送+乾燥炉の作成だったのですが
非常に限られた寸法でも 急加熱 + ホールド + 急冷却 が、実現できた成功例でした。

エンドユーザー様が超大手の有名企業さんでしたので
色々と安全上の問題、製作上のルール等クリアすべき問題も多々ありましたが
それも加味しても我々にとって非常に意味のある物件だったと思います。

装置完成後にソフトをインストールしてのランニング作業

ハードもソフトも社内で製作する事で納期もコストも抑えています。