常温、高温検査機構を有する加熱処理装置

2018年に案件を頂き、2019年6月から手を付けた装置です。
目的としては、装置内に検査機構(常温、高温)を持つ自動加熱処理装置になります。
(今回のシークェンスはOMRON社製のユニットを使用しています)

筆者の私自身で、打合せ→プラン作成→図面作製(装置&炉体)→完成まで3.5カ月程度と言った感じです。
初めて製作するタイプの装置でしたが、ほぼ思惑通りに収まった感はあります。

↓ 簡単なフロー

① 作業者がワークを搬送用冶具+トレーにセット 
② 変位センサーで確認後、OK&NGを判断
③ チャッキングアームがトレ―を保持→CV上に移動し配置
④ 下部よりバーコードリーダーで識別
⑤ ワークをファイバーで識別&確認+通電検査 
⑥ シャッター開→炉内へ進入→加熱処理 (熱源は熱風循環+遠赤外線照射による加熱)
⑦ 高温検査部に既定値まで到達した段階で温度測定
⑧ 炉外へ排出→冷却
⑨ トレ―を下部搬送部にシフト
⑩ 冷却した後に、投入部へリターン
⑪ 再度、ワークをセット→繰り返し

注*トレーサビリティ関係の上位通信PCに関しては対応しておりません(あくまで本体ハードとソフトのみ)

① 作業者がワークを手投入 → 諸々の確認後 → 上部アームユニットがCV部まで搬送します

② アーム上に配置された変位センサーでワークの現位置を確認

⇒ 手動にて供給された位置情報を確認⇒ OK、NG を判断 
OK判断 ⇒ 次の工程にワークをシフト

③ チャッキングアームがトレ―を保持→CV上に移動し搬送ベースにセット
(青く隠している箇所がワークになります)

上下が稼働する検査ユニット(上部)のファイバーセンサーでワークの詳細を判断します。
(上部 7箇所×2ユニット)

④ 下部よりバーコードリーダーで読取(上位PCでワーク情報取得)

⑤ ワークをファイバーで識別&確認+上下に配置したユニットで検査 

通常温度測定ユニットでは、常温に保つ必要がある為
(加熱炉付近の熱が伝わるのを防ぐ効果)

測定ポイント下部に向かってバキュームフローで冷却風を送ります。  
(想定される室温23℃~25℃ 温度測定ユニットを20℃代でキープする為)

このバキュームフローは供給エアを噴射しつつ
周囲の大気も巻き込んで噴き出す能力があります。

⑥ シャッター開→炉内へ進入→加熱処理 (熱源は熱風循環+遠赤外線照射による加熱)

常時稼働しているエアカーテン + 物理シャッターの併用で炉内からの熱気を遮断しています。   

⑦ 炉内へ侵入 → 高温検査部に既定値まで到達した段階で温度測定

上記の画像は加熱炉の本体を解体した物です。
熱風循環とIRヒーターの併用になっています。
炉の構造等に関しては説明を差し控えます。(今回の設備は、購入部品類以外はほぼ社内制作品で構成しています) 

高温検査ユニット(側面) 

既定値まで温度を保ち検査ユニットで測温するユニットです。
構造&条件等の詳しい説明は差し控えます。
見えない部分にノウハウが鏤められています。

⑧ 炉外へ排出→冷却

下部に配置された冷却ファンによってワークを下側より風を吹き付けています。

⑨ トレ―を下部搬送部にシフト

⑩ 冷却した後に、投入部へリターン

下部搬送CV トレ―をLD側へシフトします。

⑪ 再度、ワークをセット→繰り返し → ∞